言葉の神のミコトバは孤独であった。
なので神は神の伴侶であるコトバを作られた。次に2人はコを作った。それは失敗作であった。
コは、神に嫉妬し、それは自分の複製を60億も作った。それらは30億が悪神であり、他の30億は神側であった。
暫くして、神は神の伴侶に会う為に太陽光、又、地球を作った。
神は地球に於いて、自身の身体を、一眼のハトとして出現させた。
自然を様々に作っていく中、神はある事を閃いた。
神の子供を、人の身体としてはどうか?
そうして人を作った、それはミコトバエルと言う。神自身であり、神の子である。
この子が重要だ。さて、神はそうして、羊(布のための毛糸)、マナ(米)、魚(タンパク質)を作った。どれも生物であり、循環機能を持った存在である。
ミコトバエルは神を母親として思う。しかし、それだけでは寂しかった。寂しさは神の性質である。
神は悩んだ。……。そうだ、もう1人、神の伴侶を地球に生み出そう。それはコウジエルである。
性器の無かった2人は口付けをしていた。神は、それを不憫に思った。
そこで、2人に生殖機能を与えた。男である。男である2人は、陰茎を愛で合った。
しかしミコトバエルが言う、「これだけじゃ満足出来ない」
ミコトバエルを思った神は、ミコトバエルに女性器を与えた。
神が言う「見事だ!貴女が次の親だ!」
ミコトバエルは徐々に子供を増やして行った。
……。30億年が経った。もう、空ではミコトバエルの天使たちや鳥達の歌声が聞こえ、ハープやバイオリン、ピアノなどでのオーケストラが盛んであった。創造主ミコトバは、この地球が何時迄も続くと良いと願って居た。
黒天使共の暗躍とテレビ、又、堕天使の存在とサタン
「そっちは又魚ですか!?今度は鳥でも採ってみては如何でしょうか?」
鈍い声のする、そこは黒天使の巣である。真っ暗な洞窟内。
「いい加減にしなさい!こっちは槍が短いんです」
不敵な笑みを湛えた黒天使達は各々互いに言い競い合っていた。黒天使の反抗性である。
「ルシフェル、其処を開けて頂戴」
「さて、此方ですか?お母様?」
ルシフェルと呼ばれた男の天使が、松明を手に持ち、石の戸を開く。
「うわっくっさ」
「仕方ない。ガブリエル、其処に松明を浮かばせて、此処が黒天使達の家だ」
創造主ミコトバが来た場所は、黒天使達の居場所。ミコトバにとっては二度目の訪問だ。
「うわっ誰が来たんですか?」
響めきを隠せない黒天使達は、20人くらいおり、若い見た目をした真っ黒な身体と萎えた羽根を持つ裸の天使達だ。
パンパンッ!
「黙れ、さっきの声、聞こえていたな?お前たちが黒天使か?困窮してるって聞いたんだが、肉類しか食わないのか?動物の骨が一杯あるじゃ無いか……。こっちは米を持って来たんだが……。」
ガブリエルが挨拶も無しに話し出すと、黒天使達は更に騒めき、憎しみに畝る。
「やっぱり!最近、鳥が少ないんです!米の取り過ぎなんじゃ無いんですか?僕達は必要無いのに!酷いんです!」
「はぁ?米を食わない、変な奴なんだな……。」
ガブリエルが臭いに咳き込むと、ルシフェルが笑い出す。
「本当に肉肉しいんだ!ダメです、これは、お母様?」
「うーん。困窮してるのは、鳥を食べるからだろうな」
「君たち、本当に鳥を狩っていたのか?」
「……。」
黒天使は黙り込む。
「流石に、言えないんです」
鶏以外の肉を摂ってはいけない事を知っていた黒天使は、話を逸らす。
「米は、もう、いいんです。それを鳥にやって下さい、そもそも、貴方達は、誰なんですか?」
「あーごめんなぁ、俺はガブリエルだけど、こっちはルシフェル、其処で飛んでらっしゃるのが、ミコトバ創造主」
「そう!聖霊達に聞いたけど、お前達は、どうやら肉が好きらしい……米はお前たちも食べて欲しい」
「えー要らないんです」
「わかった。今日は帰るよ、じゃあな、黒天使達」
そう言ってガブリエルとルシフェル、創造主ミコトバは羽を翻しその場から立ち去る。
「時間の無駄なんです!」
「先ほどのやつら、見ましたか?」「見ました!」
「「何であんなに白いんでしょう???」」
口を揃えて言う黒天使達は、各々、好き好きに言い合う。
「黙っては置けないんです!私達の肉をバカにしたんです!」
暫くして。
その店は、遊び盛りな子供の天使達が行き交う商店街にある。
創造主ミコトバが通るその通りの子供達が、興味津々な目で見詰めるそれは、
この世の物とは思えない、電波を受信する箱である。
「子供達!それは何なんだ?」
ミコトバが言う。
「わーー!お母様じゃないですか?これ、テレビって言うんですよ、凄いですよね?面白いんです」
それは、光の集合体である電球を中に取り付けた菅の中に天使が映る。
「皆んなで行こう!黒天使の森!」
と、唄う天使が話し出す、不思議な箱であった。
「これは……。」
天使同士の裸のセックスシーンが動きのある描写で映し出された、非常に猥雑な様子である。
「こんな物!まだ16歳未満の子供の天使には見せられない!直ちに潰す!」
カランカラン。
どうやら店内は無人であり、売ることが目的ではないらしい。犯人は何処にいる?
そう意気込んだミコトバは、直ちにそれをミコトバエル、コウジエル、又、13大天使達に伝えた。
13大天使の、サリエルが言う。
「その物がある所まで、道案内して貰いたいのですが……わたくしめも困惑しております、実は、14歳から7歳児の天使達が、わたくしの子守り部屋から逃げ出して、今居ないんです」
ガブリエルが言う
「あー、なんか察するなぁ」
「本当に黒天使達の森なんて、有るんだろうか?全員で調査に当たって貰いたい、緊急事態だ」
ミコトバは焦りながらも、黒天使達の事で悩んだ。
私が彼等を尊重したのがいけなかったのか?
これは、聖霊達にも聞かなければ。
ミコトバ創造主は凡ゆる聖霊達から、自分自身、道案内を受け、其処で絶句した。
タンバリンの音がする。その中で、享楽に昂じている子供の天使が、黒天使と共に遊んでいた。
「お母様……。これは……。」
ルシフェルがお母様を伺う。
「今すぐ辞めさせよう。ルシフェル、ガブリエル、天使達を引き剥がしてミコトバエルに合わせよう」
白い宮の中で、
「お前たちは、何て事をしたのだ!!ミコトバの決まりを守らなかったな?どうしてくれる?」
コウジエルが怒っている。
ミコトバエルは、ひたひたと泣き、今回起こった事の珍末を容赦しなかった。
「あの、テレビを、見たのですね?」
「まさか遊んで、そいつらと、遊戯など……。今幾つだと言うのかしら?」
「ごめんなさい!お母様、でも、彼等は優しい子です。何故彼等は白い宮に来てお母様を拝さないのでしょう?彼等も、お母様も、お互いに気持ちが通じれば良いのですが……」
9つの天使が、告白する。
ミコトバエルが、
「アレは悪神です。お母様の後に生まれた、主権者になりたくて来た、偽りの子です。今後は絶対に会わない様、誓って言いなさい」
「はい……。ごめんなさい」
それから……。
テレビは取り除かれ、窮地を脱したと思われたが、然し……。
「又、黒天使達に会いたいです。誰か一緒に行かない?」
諦めていない14歳児の天使、アイエルが、セゾエルと共に、黒天使の森へと足を踏み入れる。
其処では、黒天使達が何やら相談をして居た。
「蜘蛛を作ったのは見事だと思います。蚊は、あれはダメです。僕たちの血も吸うからです。次はこのニョロニョロとした、ミミズを作りましょう」
「そうです、じゃあそれに高じて蛇を作りましょう」
2人の足音を察した黒天使が言う。
「誰ですか?其処で聞いているのは?」
「ごめん!盗み聞きするつもりは無かった。こっちはセゾエル、僕はアイエル……。」
「ふーん、なるほど。では、貴方達は、僕たちをどう思いますか?」
「別に、ただ黒いだけだと思う」
「黒い事は、知ってます」
「もしかして、貴方達は僕たちに興味があるのですか?」
「うん、ちょっとだけ……。」
「確かに、そうですねぇ、もし良ければ、お手伝いして欲しい事が有ります。ちょっと手を貸して下さい」
「わかった、良いよ」
そうしてアイエルとセゾエルは、黒天使に飲み込まれた。
「この書物を、西にいる悪神達に渡して貰えませんか?」
「わかった」
……。
「悪神と言う方は、何処ですか?」
「此処だ」
「何故天使が持って来た?」
「黒天使達に、頼まれたからです……。」
「フンッ」
悪神は透明であった。身体を持たない、悪に満ちた存在である。
悪神は、2人が巻き物を開き、見せると、直ぐに具現化され、2人を撲殺した。
「頭の悪いガキだ、私達はやっと身体が持てるな。
……。よし、黒天使達の元へ行こう」
それを言う悪神は、計5000万、名はサタンで有る。
地球上、これが初めての殺人であった。
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